第13回なかの国際ダンスコンペティション講評
決選 2011年8月17日(水)18日(木) なかのZERO大ホール
審査員
片岡康子(お茶の水女子大学名誉教授)
佐々木涼子(舞踊評論家)
金田和洋((公社)日本バレエ協会常務理事)
坂本秀子(日本女子体育大学准教授)
正田千鶴(なかの洋舞連盟会長・(社)現代舞踊協会常務理事)
賀来良江(なかの洋舞連盟副会長・(社)全日本児童舞踊協会常務理事)
寺村敏(なかの洋舞連盟相談役・舞踊評論家)
多様・多彩――印象深い作品・ダンスが多かった……
第13回「なかの国際ダンスコンペティション」は2011年8月9日−14日に東京・中野区の「なかのZERO小ホール」で予選、17日と18日に同大ホールで決選が開催された。
予選応募者数は国内が前回の286組より15組多い301組で韓国4組を加えた総数は305組(うちクラシック・バレエは40組)。163組が決選に進んだ。
今回も作品・踊りとも多彩であった。ダンスは世界的に多様化の傾向にある。日本国内でも同様だ。しかしそれが同じ日に同一舞台で上演されることはまずない。コンクールも同様で、バレエとダンスは別々に開催されている。“なかのコンペ”は“枠”を取り払い、あらゆる舞踊を同一の舞台に乗せる。そこには“多様化の縮図”があった。
「モダンダンス」が圧倒的に多い。ひと口にモダンダンスと言ってもタイトル・内容・衣装・踊りのスタイルともきわめて個性的である。
例えば創作部門――「つう」は民話「鶴の恩返し」を戯曲化した「夕鶴」の主人公女性(実は鶴)の胸中を切々と踊り、「架空庭園」は独特の身体能力を生かして抽象的な動きを披露、「片翼の堕天使」は前進で気迫に満ちた動きを継続する。この気迫に満ちた動きはジュニア部門にも多く見られ「炎 −火坑変じて−」「夜叉」「カマラ −野生の呼び声−」などが上位に入った。いずれも“少女が踊る不思議感覚のダンス”で印象に残った。その一方でジュニア2(年少)はかわいらしい作品・踊りも多かった。
シニア部門は題名・内容とも趣深い「濡れ桜」が強く印象に残り、「水の如く思いのままに」「この白き小さな手」など分かりやすく落ち着いた作品・踊りが多い。「貝のみた夢」などユニークな演出の作品も多かった。
クラシック・バレエが“大健闘”した。ジュニア部門ジュニア1で「海賊」メドーラのヴァリエーションを踊った少女が第2位、シニア部門で「ダイアナとアクティオン」グラン・パ・ド・ドゥから抜粋してアダジオ部分だけを踊った男女も2位の栄誉に輝いた。バレエの上位入賞は部門が分かれていなかった2002年に小学校6年生が「ドン・キホーテ」キトリのヴァリエーションを踊って1位になって以来のことである。
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今回から視覚的に優れた作品・踊り手におくる「ヴィジュアル・プライズ」などいくつかの賞が新設された。衣装・メイク・ヘアなどにも気を配って、次回も“すてきな作品・ダンサー”が出場するよう期待したい。
(舞踊評論家・寺村 敏)